光のもとでⅠ
「御園生、この一週間俺たちなりに考えたんだ」
「……佐野くん?」
「どうしたら御園生が喜んでくれるか。夏服になってからずっと左腕のバングル気にしてただろ? どうしたらいいかって。みんなで考えた結果でもあるんだ」
 ……嘘――。
「御園生ちゃーん、顔に出てる、顔にっ!」
 河野くんに言われて思わず口もとを押さえる。
「ホント、正直だよねぇ……」
 という声があちらこちらから聞こえてきて、ますます恥ずかしい。
 でも、お礼は言いたい。
「あの……ありがとう。すごく嬉しい」
 大切な言葉を伝えるように、ゆっくりと話す。と、
「翠葉、まだ終わってないの。勝負はこれからよ。今日の四限が生徒総会。そのときに生徒会役員がそのストールを着用するわ。そして全校生徒の意見と教師側の意見が合致しないと認可されないの。だから四限の総会、がんばるわよ?」
「桃華さん……」
「私も着るし茜先輩も嵐子先輩も着る。それで壇上に立つの」
「……壇上?」
「大丈夫だよ、翠葉。周りには俺や司、ほかのメンバーだっている。長時間立たせるつもりもないし、長引かせるつもりもないって司が言ってた。だから平気」
 海斗くんが安心しろ、と言うように肩に手をかけてくれた。
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