光のもとでⅠ
お母さんは屈託なく笑った。
会長、ツカサたちのおじいさん。そして両親の恩人――。
「……会長さんはどんな人?」
「そうねぇ……翠葉は会ったことないんだっけ?」
「うん」
何度かツカサや秋斗さんとの会話には出てきたけれど、実際に会ったことはない。
「んー……どんな人、ね。さすが、藤宮の会長なだけあって頭の切れる方よ」
頭が切れて、人の感情を量りにかけるような人なのだろう。
「それから、とても情の深い人だと思うわ」
それは違うと思う。孫を試すようなことができてしまう人だ。孫が傷ついてもなんとも思わないに違いない。
「翠葉……?」
顔を覗き込まれてはっとする。
「すごく怖い顔してる」
言われてすぐ、顔を両手で覆った。
会ったことも話したこともないのに、すでに悪い印象しかない。孫を試すような、気持ちを量りにかけるような……そんな印象しかない。
会長、ツカサたちのおじいさん。そして両親の恩人――。
「……会長さんはどんな人?」
「そうねぇ……翠葉は会ったことないんだっけ?」
「うん」
何度かツカサや秋斗さんとの会話には出てきたけれど、実際に会ったことはない。
「んー……どんな人、ね。さすが、藤宮の会長なだけあって頭の切れる方よ」
頭が切れて、人の感情を量りにかけるような人なのだろう。
「それから、とても情の深い人だと思うわ」
それは違うと思う。孫を試すようなことができてしまう人だ。孫が傷ついてもなんとも思わないに違いない。
「翠葉……?」
顔を覗き込まれてはっとする。
「すごく怖い顔してる」
言われてすぐ、顔を両手で覆った。
会ったことも話したこともないのに、すでに悪い印象しかない。孫を試すような、気持ちを量りにかけるような……そんな印象しかない。