光のもとでⅠ
「うん……」
そうこうしていると川岸先生が入ってきた。
「御園生、やっと出てきたな!」
相も変わらず、にっ、と笑ってみせる。
体育会系とはみんなこのように笑うのだろうか。
出欠を取ると、
「御園生、朝の保健室までは俺が一緒だ」
と、川岸先生に言われる。
急いで立ち上がろうとしたら、「ストップっ」と珍しいところから声がかかり、肩には何かが乗った。
肩のものは桃華さんの手だったらしい。
「桃華さん、ごめんなさい」
「わかればいいわ」
にこりと笑っているのに、どこか怖い。
もうひとつの珍しい声は、飛鳥ちゃんの前の席の人。
「高崎くん……?」
「そう、高崎空太(たかさきそらた)。葵の弟。兄貴に言われてるからさ。焦らせたり咄嗟に立ち上がろうとしたらすぐに止めろって。そういうのは任せてよ」
あ、そっか……高崎さんの弟なんだ。
「で、翠葉ちゃんの周りには高崎が三人いることになるから、俺のことも名前で呼んでね」
と。人懐こい笑顔で言われた。
「ありがとう、空太くん」
ゆっくりと立ち上がり、川岸先生の待つドアのもとへと向かった。
そうこうしていると川岸先生が入ってきた。
「御園生、やっと出てきたな!」
相も変わらず、にっ、と笑ってみせる。
体育会系とはみんなこのように笑うのだろうか。
出欠を取ると、
「御園生、朝の保健室までは俺が一緒だ」
と、川岸先生に言われる。
急いで立ち上がろうとしたら、「ストップっ」と珍しいところから声がかかり、肩には何かが乗った。
肩のものは桃華さんの手だったらしい。
「桃華さん、ごめんなさい」
「わかればいいわ」
にこりと笑っているのに、どこか怖い。
もうひとつの珍しい声は、飛鳥ちゃんの前の席の人。
「高崎くん……?」
「そう、高崎空太(たかさきそらた)。葵の弟。兄貴に言われてるからさ。焦らせたり咄嗟に立ち上がろうとしたらすぐに止めろって。そういうのは任せてよ」
あ、そっか……高崎さんの弟なんだ。
「で、翠葉ちゃんの周りには高崎が三人いることになるから、俺のことも名前で呼んでね」
と。人懐こい笑顔で言われた。
「ありがとう、空太くん」
ゆっくりと立ち上がり、川岸先生の待つドアのもとへと向かった。