光のもとでⅠ
 階段を下りながら、
「どうだ? うちのクラスは」
 と、訊かれる。
「楽しいし、みんなすごく優しいです」
 先生は嬉しそうに頷く。
「で、体のほうはどうなんだ?」
「薬には慣れてきました。でも、体調を崩しやすくなるのはここからなので、自分でもどうなるのかは予想できなくて……。でも、学校には通ってきたいです」
「うちの学校な、成績優秀者には至れり尽くせりの環境が用意してあるんだ。だから安心して療養と勉強すればいい。今、病院からも通信授業が受けられるようにできないか、一部の先生が掛け合ってくれている。だからがんばれ」
「はい……」
 保健室に着くと湊先生が出迎えてくれる。
「廉太、あんた中年太り入ってるんじゃないの?」
「くっ、相変らず手厳しいなぁ。この季節はビールがうまいんだよっ! 今度女帝も付き合えよ!」
「そんなこと言ってるとあっという間にメタボよ、メーターボっっっ!」
 川岸先生はガハハ、と笑いながら保健室を出ていった。
 川岸先生と湊先生のやり取りを不思議に思っていると、
「廉太とは同級生なのよ」
 と、湊先生が教えてくれる。
 そうなんだ……。
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