光のもとでⅠ
「……あの、ハムスターは?」
「ハムスターなら用務員室の一室にいますよ。御園生さんはハムスターを見にきたんですか?」
「あ、いえ。……全部、です」
「そうですか。それでは、先に外の子たちを見てきてはどうでしょうか。今は太陽に雲がかかってませんからね」
 少しでもあたたかい時間に屋外を回るように、とのんびりとした口調で勧めてくれた。
「ついさっきもスケッチをしたいって女の子が来まして、ウサギ小屋の鍵はその子が持っていきました。そのほかの動物は触れるにはあまり適していないので、小屋の外から見るのがいいでしょう。もし、どうしても……というのでしたら私も一緒に行きますが、どうしますか?」
「……危ないんですか?」
「そうですねぇ……。動物に詳しくない人がひとりで近づくことはお勧めしませんね。御園生さんは飼育経験がありますか?」
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