光のもとでⅠ
 香乃子ちゃんは立ち上がり小屋から出てきた。そして、私の手を引いて小屋に戻ると、
「スノウ、おいで」
 白ウサギを呼ぶ。
 大きさはハナちゃんと変わらないくらい。毛の色も同じ白で目が赤いだけ……。
 香乃子ちゃんがお手本を見せるようにウサギを撫でて見せてくれた。
 毛の流れに沿って耳を揃え撫でると、スノウはとても気持ち良さそうな顔をする。
 香乃子ちゃんに場所を譲られスノウにそっと触れる。スノウはあたたかかった。外にいるのに、とてもあたたかかった。
「あたたかい……」
「……生きてるからね」
「うん……」
 命に触れた衝撃と共に、さっきから感じている違和感は感度を増す。会話をすればするほど強く感じる。クラスメイトだから、とかそういう理由ではない気がした。いつもと違うのはなんだろう。……と、そのとき――。
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