光のもとでⅠ
「原島さん、早速ですがハムスターを見せていただいても?」
 秋斗さんが切り出すと、
「えぇ、すでにご用意してあります」
 用務員さんが案内してくれたのは二階の一室。
「通常はクラス管理なんですが、今日が終業式で明日から冬期休暇ですので、学校中ハムスターがここに集められています」
 通された部屋はハムスターのための部屋だった。壁一面に棚が渡してあり、上から下まで端から端まで水槽のような入れ物にハムスターが入れられ管理されている。まるでハムスターのマンションのよう。
 水槽の中には巣箱やカラカラと回る車が入っていて、ところどころの水槽でハムスターがちょこちょこと走っていた。
「夏は水槽ではなく風通しのいいケージに入れるのですが、寒さに弱い動物ですので冬は機密性のある水槽で育てるんですよ。触ってみますか?」
「……はい」
 ウサギよりとても小さなハムスターを両の手の平に置かれた。
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