光のもとでⅠ
18
保健室を出てからもポケットにある鍵が気になっていた。
どこかで見たことがあるような気がして……。
でも、全然知らないもののような気もしてどうしてか気になる。
「翠葉?」
先に階段を上がる海斗くんに声をかけられてはっとする。
「ポケット、何か入ってるの?」
「え? あ、預かりもの?」
気づけばポケットの部分を無意識にぎゅっと握りしめていた。
「もの? って訊かれても困るんだけど……。ま、いいや。次は英語だよ」
言われて踊り場を通り過ぎ、最後の階段を上り始めた。
「眩暈は?」
「そんなにひどくは感じないから大丈夫」
「そう? 司から数値が良くないから気を付けろってメールが来たけど」
と、届いたメールを見せてくれた。
「あ……えと、学校を休んでいたときよりも軽いから、本当に大丈夫」
階段を上がりきると意外な顔があった。
「……学校を休んでたときの眩暈と比較してどうするつもり?」
紛れもなく司先輩。
本を片手に、壁に寄りかかっていた。
どこかで見たことがあるような気がして……。
でも、全然知らないもののような気もしてどうしてか気になる。
「翠葉?」
先に階段を上がる海斗くんに声をかけられてはっとする。
「ポケット、何か入ってるの?」
「え? あ、預かりもの?」
気づけばポケットの部分を無意識にぎゅっと握りしめていた。
「もの? って訊かれても困るんだけど……。ま、いいや。次は英語だよ」
言われて踊り場を通り過ぎ、最後の階段を上り始めた。
「眩暈は?」
「そんなにひどくは感じないから大丈夫」
「そう? 司から数値が良くないから気を付けろってメールが来たけど」
と、届いたメールを見せてくれた。
「あ……えと、学校を休んでいたときよりも軽いから、本当に大丈夫」
階段を上がりきると意外な顔があった。
「……学校を休んでたときの眩暈と比較してどうするつもり?」
紛れもなく司先輩。
本を片手に、壁に寄りかかっていた。