光のもとでⅠ
 九時になるとみんなの用意が整い、連絡の必要なところにお母さんとお父さんが連絡を入れてゲストルームを出た。
 荷物が多いこともあり、コンシェルジュが玄関までカートを持ってきてくれ、一階へ下りるるとエントランスには美波さんと拓斗くんがいた。
「んもう、急に幸倉に帰るとか言うんだからっ」
 美波さんはどこか拗ねた感じだ。
「だって翠葉が帰りたいって言うんだもの。それに明日には帰るって話してたでしょう?」
 おどけた調子で返すのはお母さん。それでも、まだ美波さんは頬を膨らませている。
「私のサプライズプランが台無しですっ! 明日、帰る前に翠葉ちゃんと碧さんにネイル施術しようと思ってたのにっ」
「え?」
 急に自分の名前が出てびっくりした。
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