光のもとでⅠ

32

 翌朝、目が覚めたのは四時半過ぎ。胃がキリキリと痛みだして目が覚めたのだ。
 外も暗ければ部屋も暗い。おまけに凍えそうなくらいに寒かった。
 二度寝してやり過ごしたいと思うのに寝つけない。
 冬の朝、寒くてお布団から出たくないな、と思うまどろみの時間も好きだけれど、今日は時間がもったいない気がしていた。
 思い切って身体を起こしフリースのガウンを羽織ると、部屋の照明とヒーターの電源を入れた。
 簡易キッチンでお茶を淹れる準備をしながら耳を澄ませる。
 ドアの向こう、リビングでは全く音がしない。まだ誰も起きていないのだろう。
「だって四時半だものね……」
 ポツリと零したらお湯が沸騰したので火を止めた。
 レモングラスとミント、カモミール、ローズペタルをブレンドしたお茶を淹れ、ヒーターの前でゆっくりとすする。
< 8,753 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop