光のもとでⅠ
「ポケットに入れる用の貼らないカイロはないの?」
 言われてそれも引き出しから取り出す。と、
「ブッブー。二個じゃ足んない。四つが正解です」
「え?」
「リィのポケットにも入れるから」
 言われて四つ取り出し、内ふたつは私のダウンコートのポケットに入れられた。
 手袋をはめながら唯兄の隣に座る。
「蒼兄のランニングは習慣なんだよ。走らないと一日のリズムが狂うみたい」
「じゃ、雨の日は大変だ」
「んー……前は雨の日でも走りに行ってたよ? 今でこそ毎回ではないけれど、それでも時々行ってる」
「ますますもって理解に苦しむ……」
「唯兄は一日の始まりに必ずすることってある?」
「んーーー……ベッドの上で伸び? そのほか必ずっていうと……コレ」
 カップを指差し、「カフェインと糖分摂取」と答えた。
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