光のもとでⅠ
「空……」
「ん?」
「ずっとね……朝起きたら空を見るのが日課だったの」
朝起きたら一番に窓の外を見て、その日の天気を知る。
空が青いのか水色なのか白っぽいのか。雲があるのかないのか。風は吹いているか、蕾だった花は咲いているか。
寒い冬や暑い夏は窓に触れて外気温を感じる。それが、この家にいたときの日課だった。
「だった、か……。マンションのあの部屋じゃできないもんね」
「…………」
私が使わせてもらっている部屋の窓は通りに面していることから曇りガラスになっている。
外の景色を見ることはできないし、もし見えたとしても、風の強さを知る指針になるようなものはなく、草花が目に入るわけでもない。
ただ、明るいか暗いかがわかるだけ。
「ん?」
「ずっとね……朝起きたら空を見るのが日課だったの」
朝起きたら一番に窓の外を見て、その日の天気を知る。
空が青いのか水色なのか白っぽいのか。雲があるのかないのか。風は吹いているか、蕾だった花は咲いているか。
寒い冬や暑い夏は窓に触れて外気温を感じる。それが、この家にいたときの日課だった。
「だった、か……。マンションのあの部屋じゃできないもんね」
「…………」
私が使わせてもらっている部屋の窓は通りに面していることから曇りガラスになっている。
外の景色を見ることはできないし、もし見えたとしても、風の強さを知る指針になるようなものはなく、草花が目に入るわけでもない。
ただ、明るいか暗いかがわかるだけ。