光のもとでⅠ
「あんちゃん、言ってくれるねぃ。でも、そのとおりかな? ハッカーよりも性質の悪いクラッカーだった。親やセンセ達が思ってるようなイイコじゃなかったよ」
相変わらず三人並んで歩いていて、私を真ん中に両端でされる会話。
言葉は私の前をよぎっていくのに私は会話に混ざれない。
「リーィ? ここは暗くなるところじゃないでしょ?」
「そうそう。唯は怒られて喜んでる奇特な人間なわけだし」
「でも……」
「心配されて叱られるのってさ、幸せなことだと思うよ。親の愛情を確認したくてわざとそういう問題行動をとる子どもがいるっていうけど、それ……わからなくないかなって思った。俺は今幸せ。過去が不幸だったとは思ってないけど、今、幸せなんだ。……幸せ、なんだよ」
唯兄は、「幸せ」と繰り返し口にした。
本当にそう思ってるのかもしれないけれど、繰り返されるとどうしてか呪文に思えて、自分に暗示をかけてるのではないか、とそんなことを考えてしまう。
相変わらず三人並んで歩いていて、私を真ん中に両端でされる会話。
言葉は私の前をよぎっていくのに私は会話に混ざれない。
「リーィ? ここは暗くなるところじゃないでしょ?」
「そうそう。唯は怒られて喜んでる奇特な人間なわけだし」
「でも……」
「心配されて叱られるのってさ、幸せなことだと思うよ。親の愛情を確認したくてわざとそういう問題行動をとる子どもがいるっていうけど、それ……わからなくないかなって思った。俺は今幸せ。過去が不幸だったとは思ってないけど、今、幸せなんだ。……幸せ、なんだよ」
唯兄は、「幸せ」と繰り返し口にした。
本当にそう思ってるのかもしれないけれど、繰り返されるとどうしてか呪文に思えて、自分に暗示をかけてるのではないか、とそんなことを考えてしまう。