光のもとでⅠ
「……大、好き……。唯兄も蒼兄も……大好きっ」
 ふたりにされているように、私も自分の手に力をこめた。

 家に帰ると、お母さんはもう洋服に着替えていて、お父さんは起きたばかりらしくパジャマのままだった。
「なんだー? こんな朝早くから三人で……。蒼樹はランニングだよな? 唯と翠葉は?」
 私と唯兄は顔を見合わせてにこりと笑う。
 揃って「お散歩」と答えると、「置いていかれた……」とお父さんが肩を落とした。
 そんなお父さんを見ながらお母さんが、
「まったく、面倒な人ね……」
 言いながら苦笑する。
「子どもみたいなお父さんなんだから、今度からは早かろうがなんだろうが声かけてあげなさい」
 その言葉に、
「朝五時でも?」
 唯兄が訊くと、お父さんもお母さんも唖然とする。
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