光のもとでⅠ
「呆気に取られてるみたいね? 若槻にとってはそのくらい大切なものなのよ」
湊先生にベッドへ移動するように促される。
呆気に取られているというか……。
今朝、あの鍵を見てからずっと何かが引っかかっていて、どうもすっきりしないというほうが正しい。
そして、ペンダントトップになった鍵。それを大切に握りしめる手――。
私、やっぱり何かを知っている気がするのだけど……。でも、何も知らない気もする。
私が知っているものは、何? 私が知らないものは、何?
「翠葉?」
「……先生、あの鍵は唯兄の私物で、私が唯兄に会う前に見ている可能性なんてないですよね?」
「……ないと思うけど。どうかしたの?」
「……いえ、なんとなく気になっただけなんです」
「そう?」
「……はい」
「じゃ、とりあえずこの一時間は休むことね」
そう言うと、カーテンを閉めて出ていった。
……やっぱり私の気のせいなのだろうか。
湊先生にベッドへ移動するように促される。
呆気に取られているというか……。
今朝、あの鍵を見てからずっと何かが引っかかっていて、どうもすっきりしないというほうが正しい。
そして、ペンダントトップになった鍵。それを大切に握りしめる手――。
私、やっぱり何かを知っている気がするのだけど……。でも、何も知らない気もする。
私が知っているものは、何? 私が知らないものは、何?
「翠葉?」
「……先生、あの鍵は唯兄の私物で、私が唯兄に会う前に見ている可能性なんてないですよね?」
「……ないと思うけど。どうかしたの?」
「……いえ、なんとなく気になっただけなんです」
「そう?」
「……はい」
「じゃ、とりあえずこの一時間は休むことね」
そう言うと、カーテンを閉めて出ていった。
……やっぱり私の気のせいなのだろうか。