光のもとでⅠ
お母さんと病院に行くと、今日も九階に涼先生がいた。
「どうして……」
思わず声が漏れ後ずさる。
「そうですねぇ……挨拶、ですかね?」
先日と同じようににこやかに笑い手を差し出された。
「……いえ、あの……もう胃カメラの予約入れられてしまったし、逃げませんから……」
「ですが、身体は後退してるように見えますが?」
「いえ、そんなことは……」
ピタリ、と足を止める。
「では、脈を見せてください」
す、と目の前まで距離を詰めた涼先生に手を取られた。
「スイハ、あんま手間取らせんな」
ナースセンターで、決して行儀がいいとは言えない座り方をしている相馬先生に言われる。
いつも思う。椅子に座っているだけなのに、とてもガラが悪く見えるのはどうしてだろう、と。
ここまでくると一種才能のような気がする。
「どうして……」
思わず声が漏れ後ずさる。
「そうですねぇ……挨拶、ですかね?」
先日と同じようににこやかに笑い手を差し出された。
「……いえ、あの……もう胃カメラの予約入れられてしまったし、逃げませんから……」
「ですが、身体は後退してるように見えますが?」
「いえ、そんなことは……」
ピタリ、と足を止める。
「では、脈を見せてください」
す、と目の前まで距離を詰めた涼先生に手を取られた。
「スイハ、あんま手間取らせんな」
ナースセンターで、決して行儀がいいとは言えない座り方をしている相馬先生に言われる。
いつも思う。椅子に座っているだけなのに、とてもガラが悪く見えるのはどうしてだろう、と。
ここまでくると一種才能のような気がする。