光のもとでⅠ
35
駐車場に着きトランクを開けると、お母さんが不思議そうな顔で振り返る。
「あら、ハープ……? 楓先生の患者さんに会いに行ったの?」
「うん。でも、もう退院してたみたい」
トランクを閉め助手席におさまる。
「あ、電話一本だけさせてね」
断りを入れられ、お母さんは携帯を耳に当てる。
「あ、美波ちゃん? 今から病院出るわ。――え? あ、そうなの? じゃぁ右回りで帰るわね」
短い会話をして切った。
「美波さん?」
「そう。ほら、今日、ネイルしてくれるって言ってたでしょ? 拓斗くんも一緒にマンションのカフェでランチ食べようってことになったのよ」
「そうだったのね」
「……大丈夫よ。七倉さんに頼んで食べやすいものお願いしてあるから。それと、拓斗くんはお昼を食べたらすぐサッカーに行かなくちゃいけないの。長居して疲れそうなら先に翠葉のネイルしてもらって、私は後日でも問題ないし」
そこまで言われて不安が和らぐ。
「あら、ハープ……? 楓先生の患者さんに会いに行ったの?」
「うん。でも、もう退院してたみたい」
トランクを閉め助手席におさまる。
「あ、電話一本だけさせてね」
断りを入れられ、お母さんは携帯を耳に当てる。
「あ、美波ちゃん? 今から病院出るわ。――え? あ、そうなの? じゃぁ右回りで帰るわね」
短い会話をして切った。
「美波さん?」
「そう。ほら、今日、ネイルしてくれるって言ってたでしょ? 拓斗くんも一緒にマンションのカフェでランチ食べようってことになったのよ」
「そうだったのね」
「……大丈夫よ。七倉さんに頼んで食べやすいものお願いしてあるから。それと、拓斗くんはお昼を食べたらすぐサッカーに行かなくちゃいけないの。長居して疲れそうなら先に翠葉のネイルしてもらって、私は後日でも問題ないし」
そこまで言われて不安が和らぐ。