光のもとでⅠ
 決して顔のパーツが似ているわけではないのに、笑顔の種類が同じ気がして……。
「何になさいますか?」
 再度訊かれ、何が一番胃に負担がかからないだろうか、と考える。
 メニューを見ていると、拓斗くんが身を乗り出してメニューの説明をしてくれた。
「お味噌汁も美味しいけど、みんな洋食だからお姉ちゃんも洋食にしようよー。僕のイチオシはこのシーフードのスープ! こっちの赤いスープは美味しいけどちょっと辛いんだよ。……あっ! ビーフシチューもお肉が柔らかくて美味しいんだよっ! ほっぺた落ちちゃうくらいっ」
 言いながら頬を押さえる様がなんともかわいい。
「たーくっ、それじゃ翠葉ちゃんが選べないでしょ!?」
 気づけばメニューは拓斗くんの前に広げられていた。
 そして、「僕が選んだのはこれなんだけどね」と言いながらも、ほかのものに目移りし始めていた。
 これは早く決めたほうがいいかもしれない……。
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