光のもとでⅠ
――「私、御園生翠葉です」
――「あら、きれいな名前ね? どういう字を書くの?」
――「翡翠の翠に葉っぱの葉!」
――「緑っぽい名前ね」
――「お姉さんのお名前は?」
――「私の名前は秘密……」
――「どうして……?」
――「翠葉ちゃんにも一緒に願掛けをしてほしいから」
――「願掛け……?」
――「そう……。ユイちゃんが来てくれるように一緒に祈って? ユイちゃんが来てくれたら翠葉ちゃんに名前を教えてあげる」
胸の中ほどまである長いネックレスのチェーンに通された何かを握りしめる手に力がこめられていた。
――「ユイちゃんはお姉さんのお友達?」
――「いえ、違うわ」
――「それじゃ、家族?」
――「そうね、家族でとても大切な人」
――「どうして来てくれないの?」
――「うーん……家族だから、かな?」
――「家族なのに来てくれないの?」
――「あなたはいいわね? 優しいお兄さんがいつも来てくれて」
そう口にしては寂しそうに微笑んだ。そのお姉さんの顔は――。
――「あら、きれいな名前ね? どういう字を書くの?」
――「翡翠の翠に葉っぱの葉!」
――「緑っぽい名前ね」
――「お姉さんのお名前は?」
――「私の名前は秘密……」
――「どうして……?」
――「翠葉ちゃんにも一緒に願掛けをしてほしいから」
――「願掛け……?」
――「そう……。ユイちゃんが来てくれるように一緒に祈って? ユイちゃんが来てくれたら翠葉ちゃんに名前を教えてあげる」
胸の中ほどまである長いネックレスのチェーンに通された何かを握りしめる手に力がこめられていた。
――「ユイちゃんはお姉さんのお友達?」
――「いえ、違うわ」
――「それじゃ、家族?」
――「そうね、家族でとても大切な人」
――「どうして来てくれないの?」
――「うーん……家族だから、かな?」
――「家族なのに来てくれないの?」
――「あなたはいいわね? 優しいお兄さんがいつも来てくれて」
そう口にしては寂しそうに微笑んだ。そのお姉さんの顔は――。