光のもとでⅠ

「はいはいはい、誰もそんなこと訊いてないから」
「ママっ、訊かれたから言ったんじゃなくて宣言したのっ」
「はいはい。あぁ……翠葉ちゃんびっくりしてるじゃない。ごめんなさいね～？」
「あ、いえ……」
　呆気にとられたまま、コトミちゃんを見ていた。
「ちょっとっ、マーマーっ、離してっ！　まだ言い足りないんだからっ」
「うーるーさーいっ！　琴の声はキンキン響くんだから勘弁してよ」
　コトミちゃんは里実さんに抱えられてしまう。それでもバタバタと暴れ、視線は私に貼り付けていた。
「おばさんになんて負けないんだからっ」
　あまりの勢いにびっくりしすぎてとうに言葉など失ってはいたけれど、さらに絶句することになる。
　この場で笑えたのは秋斗さんのみ。