光のもとでⅠ
 一部の壁面、柱部分はベージュやグレーの石畳のような装飾がされており、上から水が伝い落ちる。
 水を受ける部分は鏡面磨きを施された石で水路が作られていて、ところどころにグリーンが飾られていた。
 窓際に、丸みを帯びたソファとテーブルが等間隔に置かれていてかわいいと思った。
 クロークの脇にはビューティーサロン、チェンジングルーム、レストルームのプレート。
 きっと美容院や更衣室、トイレを指すのだろう。
「こっちよ」
 お母さんに呼ばれ、三人揃って両親のもとへ行く。すると、フロント脇の通路を通って建物の外側から内側へと案内された。
 フロントの裏側は中庭を見渡せるティーラウンジだった。南側を向いているわけではないけれど、十分な採光が望め、スポットライトは必要な場所にしか使われていない。
「どう?」
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