光のもとでⅠ
「翠葉、どうした?」
蒼兄に訊かれ、
「今、何時?」
思わず蒼兄の手首に飛びつく。
時計は意外な事実を教えてくれた。
自分たちがレストランを訪れてからまだ五分も経っていないということを。
「……どうした?」
「……ううん。なんでも、ないの」
時計を見たまま答える。
秋斗さんたちが席についてから五分以上は経っていると思っていたのに、実際は一、二分のことだったらしい。
「手、すごい力入ってるけど……」
トーンを落とした声で訊かれ、
「少し……掴まっていてもいい?」
「いいけど……眩暈?」
「違う。命、綱……?」
「綱? って訊かれても……」
蒼兄に訊かれ、
「今、何時?」
思わず蒼兄の手首に飛びつく。
時計は意外な事実を教えてくれた。
自分たちがレストランを訪れてからまだ五分も経っていないということを。
「……どうした?」
「……ううん。なんでも、ないの」
時計を見たまま答える。
秋斗さんたちが席についてから五分以上は経っていると思っていたのに、実際は一、二分のことだったらしい。
「手、すごい力入ってるけど……」
トーンを落とした声で訊かれ、
「少し……掴まっていてもいい?」
「いいけど……眩暈?」
「違う。命、綱……?」
「綱? って訊かれても……」