光のもとでⅠ
「ここはどこまでも丸い空間で惑星なんですな。その惑星の象徴とも言える場所、太陽の中では周りを囲まれたものが核になる。つまり、藤宮に囲まれちゃった俺たちが招かれた客だったわけですよ。円には始まりも終わりもなくて、ゆえに末席も存在しない。それが今日のテーブルセッティングの答え」
 お父さんが嬉しそうに解答を口にするのは、作意性を持ってつくったものだから? それとも――。
「お父さん、この席次を考えたのは誰……?」
「静と湊先生」
 やっぱり――。
「翠葉、そこで騙されちゃダメよ?」
 お母さんに先走る考えを制される。
< 8,863 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop