光のもとでⅠ
「栞ちゃんに結婚式を気づかれないよう、かつ、両家が近くなるように。それでいて、面識ある人間同士を隣接させ、子供と大人を寸断させず、家族を切り離さない配置……。そんなわがままな席次はあれ以外にあり得ないの」
 それが示すものは何……?
「こうであったら嬉しいと思って作ったものをプレゼントして、その意中をしっかり汲んでくれる親友で嬉しいっ! それだけっ!」
 お父さんはパタンとベッドへ横になり、そのままむにゃむにゃ言いながら眠ってしまった。
 家族一大きな体をお布団の中に入れるのは、残り四人総出の大作業。
 ベッドの上でお父さんを転がし、カバーを剥がした部分に再度転がし直す。
 蒼兄が手を止め、首を大きく捻った。
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