光のもとでⅠ
 四人顔を見合わせ、代表して蒼兄が出ると、
「おくつろぎのところ申し訳ございません」
 その声にドキリとした。
 蒼兄が半身をずらし、ドアの向こうに見えた人は涼先生。
 ツカサの声だと思った私はふっと肩の力が抜けた。ところが、
「御園生さん、診察をしたいのですが……」
 言われて思いだす。
 先日、パレスで診察と血液検査の結果を話すと言われていたことを。
「今、パレスに着いたばかりなもので、遅くなってしまい申し訳ございません。地下に医務室があるのでそこで診察しようと思います。ご両親には診察のあと、ティーラウンジでお話をさせていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
「よろしくお願いします」
 蒼兄とお母さんが頭を下げ、私は唯兄にポンチョを羽織わされた。
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