光のもとでⅠ
20
湊先生が淹れてくれたお茶を飲みながら、三限が終わるのを待っていた。
「少し脈が速いけれど、血圧は大丈夫ね」
と、バイタルチェックのモニターを見ながら言われる。
「次の生徒総会は大丈夫?」
「はい、みんなが準備してくれたことがあるから、私もがんばらないと……」
隣の椅子に置いたストールに目をやる。
「気休めなんて言っても仕方ないから言わないけど、今は忘れてなさい。翠葉は若槻にオルゴールを渡したら、そのあと一緒にいてくれればいい。それだけよ。何を言わなくちゃいけないわけでもないし、若槻がオルゴールとどう向き合うか、ただそれだけだから。あんたが何をしなくちゃいけないわけじゃない」
確かに、私には言葉をかけることもできないし、何ができるわけでもない。
できることはただひとつ。オルゴールを返すことと側にいることだけだ。
悩んでも仕方のないことだった。
「はい」と告げると、三限の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
二分もすると飛鳥ちゃんと佐野くんが迎えに来てくれた。
「先生、いってきます」
「くれぐれも無理はしないように。……ま、司が側にいるなら大丈夫ね」
言うと、手をひらひらとさせ、ノートパソコンを開いたデスクに向かった。
「少し脈が速いけれど、血圧は大丈夫ね」
と、バイタルチェックのモニターを見ながら言われる。
「次の生徒総会は大丈夫?」
「はい、みんなが準備してくれたことがあるから、私もがんばらないと……」
隣の椅子に置いたストールに目をやる。
「気休めなんて言っても仕方ないから言わないけど、今は忘れてなさい。翠葉は若槻にオルゴールを渡したら、そのあと一緒にいてくれればいい。それだけよ。何を言わなくちゃいけないわけでもないし、若槻がオルゴールとどう向き合うか、ただそれだけだから。あんたが何をしなくちゃいけないわけじゃない」
確かに、私には言葉をかけることもできないし、何ができるわけでもない。
できることはただひとつ。オルゴールを返すことと側にいることだけだ。
悩んでも仕方のないことだった。
「はい」と告げると、三限の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
二分もすると飛鳥ちゃんと佐野くんが迎えに来てくれた。
「先生、いってきます」
「くれぐれも無理はしないように。……ま、司が側にいるなら大丈夫ね」
言うと、手をひらひらとさせ、ノートパソコンを開いたデスクに向かった。