光のもとでⅠ
「ごめんなさい」だけではだめだろうか……。
 ……ものすごくだめな気がする。
 でも、「ごめんなさい」の六文字以外に言葉が思い浮かばない。
 言語中枢がどうかしてしまったのではないかと思うほどに思いつかない。
 そうこうしている間にも時間は過ぎていく。そして、時間が過ぎるにつれて視界がぐにゃりと歪みだす。着実に薬が効き始めているのだ。
 何も送らないよりはいいだろう、最後はそんな投げやりな気持ちで送信ボタンを押した。
「なんて送ったの?」
 唯兄にディスプレイを覗かれる。
 見られて困るほどのことは書いていない。何せ六文字なのだから。
 送信フォルダに残るデータを見せると、
「リィ……。それ、どうにでも勘違いできるでしょう……」
 唯兄の言葉に興味を示した蒼兄にも覗き込まれる。
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