光のもとでⅠ
「しかし会長もよくやるよ。三十の誕生日のプレゼントにドレスだなんてさ」
「そうね。会長からのプレゼントじゃなかったらきっと着なかったわね」
昇さんと栞さんの会話に、「あれ?」と思う。
……誕生、日?
「あの……今日は誰の誕生日でしょう?」
文脈から考えればわかることだけれど、確認せずにはいられない。
「ん? 湊のよ?」
栞さんのくりっとした瞳に自分が映る。栞さんと同じくらいきょとんとした自分が映っていた。
「……湊先生の誕生日、です、か?」
「「あら、言ってなかったかしら?」」
栞さんとお母さんの声が揃う。
「今日が湊の誕生日で明日が会長の誕生日なの。だから今日は内輪でお祝いをしましょうって集まっているのだけど――。やだ、ごめんなさい。私、言ってなかったかしら?」
どうやらお母さんに伝えたことで私にも話したつもりになっていたらしい。
「そうね。会長からのプレゼントじゃなかったらきっと着なかったわね」
昇さんと栞さんの会話に、「あれ?」と思う。
……誕生、日?
「あの……今日は誰の誕生日でしょう?」
文脈から考えればわかることだけれど、確認せずにはいられない。
「ん? 湊のよ?」
栞さんのくりっとした瞳に自分が映る。栞さんと同じくらいきょとんとした自分が映っていた。
「……湊先生の誕生日、です、か?」
「「あら、言ってなかったかしら?」」
栞さんとお母さんの声が揃う。
「今日が湊の誕生日で明日が会長の誕生日なの。だから今日は内輪でお祝いをしましょうって集まっているのだけど――。やだ、ごめんなさい。私、言ってなかったかしら?」
どうやらお母さんに伝えたことで私にも話したつもりになっていたらしい。