光のもとでⅠ
「栞さんはどのタイミングで結婚式を知ることになるんですか?」
「……そうですね、どの時点で気づくでしょう?」
 園田さんは首を傾げて考え込んでしまう。
「御崎の話ですと、今はチャペルに会長と昇先輩、栞の三人がいるそうですが……」
「会長」という言葉に動揺する。と、園田さんの言葉を澤村さんが継いだ。
「さすがにこれだけの人数がチャペルに集まれば何かあるとは思うでしょう。さらには静様が神父と共にタキシードでご入場されます。『結婚式』を連想できたとして――」
「参列席の新婦側を見れば相手が湊であることはわかると思いますが、それを信じられるかは別問題ですし……」
 私を真ん中に、ふたりは少し困ったような顔を見合わせクスリと笑った。
「やっぱり、行ってみないことにはわかりませんね」
 どうなるのか誰もわからずに決行されているの!?
「あのっ、式が始まる前に誰かが教えてあげたりはしないんですか!?」
「それはできないんです」
 園田さんが肩を竦めて見せた。
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