光のもとでⅠ
「リィ、一枚じゃフラワーシャワーにならないよ」
「えっ?」
「両手にたくさんお持ちください」
スタッフにもにこりと笑われた。
両手をカゴに入れ、花びらを掬おうとしたとき、
「栞は泣き虫じゃのぉ……。じゃが、栞が一番望んでいた結果になったじゃろうて」
聞こえてきた声に身体が反応する。
聞き覚えのある声に特徴のある話し口調。まさかと思って振り返ると、階上には和服に身を包むおじいさんがいた。
栞さんと共に階段を下りるその人は――。
「……朗元、さん?」
どうして、という疑問はすぐに疑問ではなくなる。ここにいる人の条件は限られているのだから。
ここにいるのは、澤村さんと園田さん、うちの家族を抜かせば藤宮でもごく身内の人しかいない。そして、藤宮のごく身内と言われる人たちの中で、私がまだ対面してないのはただひとり――。
「えっ?」
「両手にたくさんお持ちください」
スタッフにもにこりと笑われた。
両手をカゴに入れ、花びらを掬おうとしたとき、
「栞は泣き虫じゃのぉ……。じゃが、栞が一番望んでいた結果になったじゃろうて」
聞こえてきた声に身体が反応する。
聞き覚えのある声に特徴のある話し口調。まさかと思って振り返ると、階上には和服に身を包むおじいさんがいた。
栞さんと共に階段を下りるその人は――。
「……朗元、さん?」
どうして、という疑問はすぐに疑問ではなくなる。ここにいる人の条件は限られているのだから。
ここにいるのは、澤村さんと園田さん、うちの家族を抜かせば藤宮でもごく身内の人しかいない。そして、藤宮のごく身内と言われる人たちの中で、私がまだ対面してないのはただひとり――。