光のもとでⅠ

47

 写真撮影が終わると中庭を通って違う建物へと案内された。
 移動する間、蒼兄と唯兄は何も訊かず、何も話さず、ただ私の手を引いてくれていた。
 何も説明できていない。それでも、動揺しているのは誰の目にも明らかだったのかもしれない。
 たどり着いたのはガラス張りの建物。八角形の建物についていた名称はガーデンクォーツ。
 建物の入り口では新郎新婦に加え、両家のご両親にも出迎えられる。
 そうして入った建物は、まるで温室のように壁面がガラス張りの建物だった。角錐になっている天井もガラス。フロアの床だけが北欧の模様を模っている。
 案内されたテーブルに着くと、
「会長とのご対面はどうだった?」
 突然お母さんに尋ねられた。
 フラワーシャワーのとき、お母さんとお父さんは私たちの対面にいた。きっと、話しているところを見ていたのだろう。
「……今はごめん。ちょっと、考えたくないの」
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