光のもとでⅠ
声が上ずったらやだな、と思い、できる限りの力をお腹に集中させる。
「二〇〇九年度、予算報告、予算案のプリントをご覧ください」
言葉にすると、意外なほどすらすらと表を読み上げることができた。
「以上、二〇〇九年度予算報告、予算案でした。――続きまして、冷房対策に関するストール認可への議題へ移りたいと思います」
あらかじめプリントには目を通していたものの、最後までは目を通せていなかった。
数字の羅列を読み終わると、最後にはストール認可への議題へ振れ、と司先輩の字で書かれていたのだ。
そこで立ち上がったのは桃華さん。
学園側代表者三人に礼をしてから台に上がる。
「それでは議題に入りたいと思います。ストール認可に関しましては、一週間前から女子生徒を中心にアンケート調査を行ってきました。この季節は冷房が入るため、深刻な冷え性を抱えている女子生徒が八割を超えます。それに伴い、生徒会と風紀委員で一週間毎日議論をし、ひとつの解決策を見出しました。それがストールです。冷房の設定温度は二十七度ですが、これ以上設定温度を上げると男子生徒からの苦情が増えます。もとより、男子生徒のほうが筋肉量が多いため、女子生徒との温度差があることは仕方がないことだと思います。ならば、女子生徒に羽織るアイテムを作るほうが建設的だろう、という結論のもと、手芸部編み物部門を交えての考察に入りました。そして出来上がったのがこちらです」
桃華さんは自分が身に付けていたストールを外し、それを全校生徒に見えるよう台の上で一回りする。
そして、学園側代表者である三人の先生に向かって話し出した。
「二〇〇九年度、予算報告、予算案のプリントをご覧ください」
言葉にすると、意外なほどすらすらと表を読み上げることができた。
「以上、二〇〇九年度予算報告、予算案でした。――続きまして、冷房対策に関するストール認可への議題へ移りたいと思います」
あらかじめプリントには目を通していたものの、最後までは目を通せていなかった。
数字の羅列を読み終わると、最後にはストール認可への議題へ振れ、と司先輩の字で書かれていたのだ。
そこで立ち上がったのは桃華さん。
学園側代表者三人に礼をしてから台に上がる。
「それでは議題に入りたいと思います。ストール認可に関しましては、一週間前から女子生徒を中心にアンケート調査を行ってきました。この季節は冷房が入るため、深刻な冷え性を抱えている女子生徒が八割を超えます。それに伴い、生徒会と風紀委員で一週間毎日議論をし、ひとつの解決策を見出しました。それがストールです。冷房の設定温度は二十七度ですが、これ以上設定温度を上げると男子生徒からの苦情が増えます。もとより、男子生徒のほうが筋肉量が多いため、女子生徒との温度差があることは仕方がないことだと思います。ならば、女子生徒に羽織るアイテムを作るほうが建設的だろう、という結論のもと、手芸部編み物部門を交えての考察に入りました。そして出来上がったのがこちらです」
桃華さんは自分が身に付けていたストールを外し、それを全校生徒に見えるよう台の上で一回りする。
そして、学園側代表者である三人の先生に向かって話し出した。