光のもとでⅠ
「ちょっと、秋斗さん近寄んないでくださいよっ」
唯兄は私と秋斗さんの間に割って入った。
いつも思う。秋斗さんは唯兄の上司だよね、と。
「ただでさえ目立つのに、秋斗さんが近くに来たら余計目立つでしょっ!?」
唯兄の散々な物言いに両親が、「何を今さら」と声を揃えた。そして、秋斗さんも「ですよね」と笑う。
「ざっと見て回って見たけど、藤の精は翠葉だけみたいだし……」
「秋斗くんが縁談を片っ端から断りだして半年。意中の令嬢がいるって噂は俺たちの耳にも入るようになった。ともなれば……」
「この場にその『令嬢』が来ると踏んでる人は多いわよね。だから静と湊先生の件、このタイミングで漏れるように情報操作したんじゃない? 違う?」
お母さんが秋斗さんに訊くと、
「さすがですね。お察しのとおりです」
唯兄は私と秋斗さんの間に割って入った。
いつも思う。秋斗さんは唯兄の上司だよね、と。
「ただでさえ目立つのに、秋斗さんが近くに来たら余計目立つでしょっ!?」
唯兄の散々な物言いに両親が、「何を今さら」と声を揃えた。そして、秋斗さんも「ですよね」と笑う。
「ざっと見て回って見たけど、藤の精は翠葉だけみたいだし……」
「秋斗くんが縁談を片っ端から断りだして半年。意中の令嬢がいるって噂は俺たちの耳にも入るようになった。ともなれば……」
「この場にその『令嬢』が来ると踏んでる人は多いわよね。だから静と湊先生の件、このタイミングで漏れるように情報操作したんじゃない? 違う?」
お母さんが秋斗さんに訊くと、
「さすがですね。お察しのとおりです」