光のもとでⅠ
ツカサだった。ブラックスーツの胸ポケットに藤色のポケットチーフ、襟に藤のピンブローチをつけていた。
「会が始まる」
ツカサは短く言い放ち、両親に軽く会釈をして秋斗さんを地味にどつきながら会場の前方へと戻っていった。
「碧さんと零樹さんの気が知れない」
「なぁに? なんのこと?」
憤り気味の唯兄にお母さんがのんびりとした口調で答える。
「だって、藤宮に関わるだけでもリスク高いのに、こんなところに恩賜纏わせて娘献上するなんてさっ」
「おいおい、さすがに献上した覚えはないぞー?」
「似たようなもんじゃないですかっ」
「そうねぇ、そういう見方もあるわねぇ……。でも、中途半端に関わるよりも、ガッツリ関わってしっかり守られてるところ見せつけて、手ぇ出さないほうが身のためよ、って教えてあげたほうが親切だと思わない?」
「会が始まる」
ツカサは短く言い放ち、両親に軽く会釈をして秋斗さんを地味にどつきながら会場の前方へと戻っていった。
「碧さんと零樹さんの気が知れない」
「なぁに? なんのこと?」
憤り気味の唯兄にお母さんがのんびりとした口調で答える。
「だって、藤宮に関わるだけでもリスク高いのに、こんなところに恩賜纏わせて娘献上するなんてさっ」
「おいおい、さすがに献上した覚えはないぞー?」
「似たようなもんじゃないですかっ」
「そうねぇ、そういう見方もあるわねぇ……。でも、中途半端に関わるよりも、ガッツリ関わってしっかり守られてるところ見せつけて、手ぇ出さないほうが身のためよ、って教えてあげたほうが親切だと思わない?」