光のもとでⅠ
ケラケラと笑うお父さんの腕に軽く身を預けて笑うお母さん。お父さんはそんなお母さんを自分の腕に収納し、「ね」とリズミカルに笑った。
唯兄は絶句したまま蒼兄と私の影に隠れる。
「ねぇ……あそこに狸がふたりいる。いや、もしかしたら狐かもしれない……。どうしよう……。笑顔であざといことする人間なら身近に結構いるほうだと自負してたし結構見てきたつもりなんだけど、ここまでアレなのは初めてかも……」
「唯……それって褒めてないよな?」
「いや、ある意味最上級の褒め言葉だと思う。超真面目にっ」
「いやいやいや……」
頭上で繰り広げられる唯兄と蒼兄のやりとりを聞いていたら、会場の端から華やかな曲が流れ始めた。
それはパーティーの始まりを意味していた。
唯兄は絶句したまま蒼兄と私の影に隠れる。
「ねぇ……あそこに狸がふたりいる。いや、もしかしたら狐かもしれない……。どうしよう……。笑顔であざといことする人間なら身近に結構いるほうだと自負してたし結構見てきたつもりなんだけど、ここまでアレなのは初めてかも……」
「唯……それって褒めてないよな?」
「いや、ある意味最上級の褒め言葉だと思う。超真面目にっ」
「いやいやいや……」
頭上で繰り広げられる唯兄と蒼兄のやりとりを聞いていたら、会場の端から華やかな曲が流れ始めた。
それはパーティーの始まりを意味していた。