光のもとでⅠ
 朗元さんの誕生パーティーは、昨日の披露宴よりも披露宴っぽい。
 祝辞があったり主役の挨拶があったりなんやかや……。
 彩り鮮やか、ところにより煌びやかな料理に着飾ったたくさんの人。香水をつけている人が多いのか、なんだか色んな香りが混じっている気がした。こと、甘ったるいフローラルの香りと料理の香りが混じるととても残念な気持ちになる。
「匂い酔いしそう」とは唯兄の言葉だけれど、私も蒼兄も同感だった。辟易する私たちを横目にお母さんが笑う。
「香水のつけすぎは若い子にありがちな失敗だけど、ここ数年は多い気がしなくもないわね。……たぶん、藤宮の独身男性の気を引きたいお嬢様が多いんだわ」
 辺りを見回すお母さんに続いて唯兄も周りを見回した。
「それがひとりふたりならまだしも、こう何人もいたらたまんないよ」
 唯兄が私に抱きつき、くんかくんか、と髪の毛をスーハーしだす。
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