光のもとでⅠ
本来なら誕生日である朗元さんにお祝いを言いに行かなくてはいけないのだろう。
けれど、たくさんいる招待客を掻き分けて進む勇気はないし、今以上に人の視線を集めることにも耐えられそうにない。
藤色を纏っているだけで人の視線を集めてしまうのに、藤宮の人の側へ行ったらどれほど好奇の目で見られることか……。考えただけでもぞっとする。
今は会場の後方にいるからか、先ほどよりは見られる回数も減ってはきた。それでも、遅れて会場入りする人の目に留まると、「どちらのご子息ご令嬢でしょう?」と尋ねられるのだからたまらない。
「会長には申し訳ないけど、俺らはゲストルームで待機してようか?」
「そういうこともできるの?」
「うん、できるできる。じゃ、移動するよー」
唯兄と席を立ち会場をあとにする。と、出てすぐのところで御崎さんに声をかけられた。
けれど、たくさんいる招待客を掻き分けて進む勇気はないし、今以上に人の視線を集めることにも耐えられそうにない。
藤色を纏っているだけで人の視線を集めてしまうのに、藤宮の人の側へ行ったらどれほど好奇の目で見られることか……。考えただけでもぞっとする。
今は会場の後方にいるからか、先ほどよりは見られる回数も減ってはきた。それでも、遅れて会場入りする人の目に留まると、「どちらのご子息ご令嬢でしょう?」と尋ねられるのだからたまらない。
「会長には申し訳ないけど、俺らはゲストルームで待機してようか?」
「そういうこともできるの?」
「うん、できるできる。じゃ、移動するよー」
唯兄と席を立ち会場をあとにする。と、出てすぐのところで御崎さんに声をかけられた。