光のもとでⅠ
 小さな額に入れられた写真もひとつひとつ見て回り、朗元さんはそれぞれに感想をくれた。
 気づけば、息を深く吸い込めるくらいには緊張がほぐれていた。
「落ち着いたようじゃの」
「……すみません」
「よいよい。会場では好奇の目に晒されたことじゃろうて……。あぁいうのは慣れぬのじゃろう?」
 豊かな口髭をいじりながら訊かれる。
「……ここまで大きなパーティーに出席するのは初めてなんです。それに、この藤色に意味があることも知らなかったので……」
 ストールをつまんで見せる。
「初めての人間でなくとも慣れぬ者は慣れぬ。うちの真白がいい例じゃ」
 朗元さんは穏やかに笑う。
「ここの防犯カメラは止めてある。そう硬くなりなさるな」
 カメラが止めて……?
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