光のもとでⅠ
藤原さんが言葉を区切ると紫先生が話を継いだ。
「パレスで父の処置はできる。でもね、翠葉ちゃんには応急処置しかできないんだ。だから、君を優先してヘリで病院へ運んだ」
話が自分に戻された。
「人の心配もいいけど少しは自分の状態を把握したほうがいいんじゃないかしら?」
藤原さんに言われ、はっとする。
紫先生と藤原さんの反対側には深刻な顔をしたお父さんとお母さんがいた。
「翠葉ちゃん、君は手術を受けなくちゃいけない」
しゅ、じゅつ……?
一瞬何を言われたのかがわからなかった。
「心臓に過度な負担がかかったことで病状が悪化したんだ。以前に話したことがあるね。僧帽弁逸脱症が悪化すると僧帽弁閉鎖不全症になる恐れがあると。今はその状態だ。弁膜がきちんと閉まらず、血液の逆流が頻発している。胸が苦しいのはそのせいなんだ。こうなってしまうと温存療法というわけにはいかなくてね……手術するしかないんだ」
「パレスで父の処置はできる。でもね、翠葉ちゃんには応急処置しかできないんだ。だから、君を優先してヘリで病院へ運んだ」
話が自分に戻された。
「人の心配もいいけど少しは自分の状態を把握したほうがいいんじゃないかしら?」
藤原さんに言われ、はっとする。
紫先生と藤原さんの反対側には深刻な顔をしたお父さんとお母さんがいた。
「翠葉ちゃん、君は手術を受けなくちゃいけない」
しゅ、じゅつ……?
一瞬何を言われたのかがわからなかった。
「心臓に過度な負担がかかったことで病状が悪化したんだ。以前に話したことがあるね。僧帽弁逸脱症が悪化すると僧帽弁閉鎖不全症になる恐れがあると。今はその状態だ。弁膜がきちんと閉まらず、血液の逆流が頻発している。胸が苦しいのはそのせいなんだ。こうなってしまうと温存療法というわけにはいかなくてね……手術するしかないんだ」