光のもとでⅠ
「手術の成功率も高いと聞いているし、紫先生の真骨頂は術後のリハビリテーションだっていう説明も受けた。……大丈夫だよ。みんなでがんばって乗り越えよう。翠葉が来年の春には高校二年生になれるように」
「……うん」
「明日も朝から検査があるわ。今日はゆっくりやすみなさい」
「はい……」
 お父さんもお母さんも病院に泊まってくれることになっていた。
 私が入院した部屋は十階の特別室。かつて、何度か訪れたことのある部屋で、果歩さんが入院していた部屋でもある。
 けれども、そこはすっかり片付いていて、ずらりと並んでいたマタニティ雑誌などもなくなっていた。
 これからは、九階のあの部屋に入院することはないのだろう。
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