光のもとでⅠ
 全身麻酔に関しては、久住先生から説明を受けた。
 様々な説明の中でもっとも衝撃的だったのは、術式が変わった際にできる傷跡の大きさ。
 第一候補に挙げられているのは内視鏡での手術だけれど、不測の事態が起きた場合は正中切開――つまりは開胸手術に変更され、胸に傷跡が二十五センチ近く残るという。
「怖いかな?」
「……はい」
「そうだよね……。でもね、経験上、今の状態なら内視鏡手術ができると思っている。最初にも話したけれど、インフォームドコンセントは患者さんを不必要に怖がらせたり不安にさせるためにするわけじゃなくて、ルーティンワークの一貫だと思ってくれてかまわないよ」
「……はい」
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