光のもとでⅠ
こんなやりとりにほっとする。
ツカサのきれいで隙のない笑顔は遠くから眺めている分にはいいけれど、それが自分に向けられるとなると話は別。格好いいから困るのと、何を考えているのかわからなくて怖いから。
人によっては無表情で淡々と言葉を繰り出す今みたいな話し方のほうが怖く思えるかもしれない。けれど、私はこっちのほうが好き。考えを深読みしなくてすむし、そもそも深読みする時間がない。
「熱は三十七度四分。血圧は九十の六十八。手術の傷はまだ痛むけど、手術前の苦しさと比べたらすごく楽」
「……当たり前。手術までして症状が改善されてなかったら詐欺だろ」
私は、「そうだね」と肩を竦めて苦笑した。
「来週からリハビリが始まるの。あとは……この身体しだいかな」
リハビリにどれくらい時間を要するのか、貧血がどのくらいで改善されるのか。まだ明確な時期はわからない。術後の容態が安定してようやく次のステップに進めるのだ。
ツカサのきれいで隙のない笑顔は遠くから眺めている分にはいいけれど、それが自分に向けられるとなると話は別。格好いいから困るのと、何を考えているのかわからなくて怖いから。
人によっては無表情で淡々と言葉を繰り出す今みたいな話し方のほうが怖く思えるかもしれない。けれど、私はこっちのほうが好き。考えを深読みしなくてすむし、そもそも深読みする時間がない。
「熱は三十七度四分。血圧は九十の六十八。手術の傷はまだ痛むけど、手術前の苦しさと比べたらすごく楽」
「……当たり前。手術までして症状が改善されてなかったら詐欺だろ」
私は、「そうだね」と肩を竦めて苦笑した。
「来週からリハビリが始まるの。あとは……この身体しだいかな」
リハビリにどれくらい時間を要するのか、貧血がどのくらいで改善されるのか。まだ明確な時期はわからない。術後の容態が安定してようやく次のステップに進めるのだ。