光のもとでⅠ
「そもそも、翠はそれほど自分の理解能力が低いと思っているのか? 録画された授業を見て理解できない箇所がそれほどあると? うちの学園、そこまで程度の低い授業はしないはずなんだけど」
 思わず頭を抱えたくなる。
 レベルの高い授業だからこそ理解が追いつかない、という考えがないあたりがツカサらしい。
 これ以上何か言うと、もっと明後日の方向へ行ってしまいそうで、私はおとなしく口を噤んだ。

 ツカサが帰ったあと、いただいたばかりのネックストラップと携帯ホルダーを眺めていた。
 今つけているストラップを外しても、ネックストラップと携帯ホルダーに取り付けられる金具が用意されている。大切なものたちに、ちゃんと指定席を用意してもらえていた。
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