光のもとでⅠ
「ここまでで何かわからないことは?」
「ありません」
「じゃぁ、次。受けられなかった授業の最後にやるテスト。これも難しいことはない。ペンタブに書いたものに名前をつけて保存して、先生宛てに添付メールを送るだけ。ファイル名は日にちと教科名でOK」
 レクチャーはあっという間に終わってしまった。パソコンを起動してから十分もかからなかったと思う。
「こんなに簡単なら唯や蒼樹でも良かったんじゃないかって思ってる?」
 心の中を読まれた気がして思わず視線を逸らしてしまった。
「正直だね」
 秋斗さんはクスリと笑う。
「そんな顔しないで? 俺は、いつもどんなことに対してでも、正直な、素直な翠葉ちゃんでいてほしいと思っているから」
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