光のもとでⅠ
62
リハビリが始まる前日、日曜日は家族揃ってお見舞いに来てくれた。
時間はお昼時。「消化のいいもの」ということ以外にはとくに食事制限がないため、お母さんと唯兄がお弁当を作ってきてくれたのだ。
テーブルの上に広げられたおかずの中から卵焼きを選んで口に運ぶと、慣れ親しんだ出し巻き卵の味に頬が緩む。けれど、あまりたくさんのものを食べることはできなかった。
家族揃ってのご飯は久しぶりなのに……。
「胃の調子よくないの?」
「ううん、胃は痛くないし気持ち悪くもないよ」
「味、濃すぎたかしら?」
お母さんは煮物のサトイモを口に入れて首を傾げる。
「ううん、味は濃くないし美味しい。ただ、一度には食べられそうにないから、少しだけ取り分けて冷蔵庫に入れてもらってもいい?」
時間はお昼時。「消化のいいもの」ということ以外にはとくに食事制限がないため、お母さんと唯兄がお弁当を作ってきてくれたのだ。
テーブルの上に広げられたおかずの中から卵焼きを選んで口に運ぶと、慣れ親しんだ出し巻き卵の味に頬が緩む。けれど、あまりたくさんのものを食べることはできなかった。
家族揃ってのご飯は久しぶりなのに……。
「胃の調子よくないの?」
「ううん、胃は痛くないし気持ち悪くもないよ」
「味、濃すぎたかしら?」
お母さんは煮物のサトイモを口に入れて首を傾げる。
「ううん、味は濃くないし美味しい。ただ、一度には食べられそうにないから、少しだけ取り分けて冷蔵庫に入れてもらってもいい?」