光のもとでⅠ
「毎日続けることでしだいに負荷は増やしていけるから」
「先生……負荷を減らしたら退院の時期も延びてしまいますか?」
「安心しなさい。リハビリの負荷を軽くするからといって、そこまで大きな差は出ないから」
「……はい」
「焦らなくても大丈夫だ。見てごらん。まだリハビリを始めてから三日目なんだよ? 最初の三日間は負荷の調節をする期間と話したね? 今が調節し時なんだ」
 私は唇を引き結び、涙が零れないように浅く頷いた。

 その日の夕方、ツカサがお見舞いに来てくれた。
 身体を起こそうとすると、「そのままでいい」と制される。
「相馬さんが褒めてた。今日一日おとなしく寝てたって」
「嬉しくない……」
「別に喜ばせようと思ってないし」
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