光のもとでⅠ
 退院の目処が立ったある日、
「秋斗さん……元気、かな」
 帰る間際のツカサにさり気なく訊いてみた。
「……さぁ。気になるなら自分で訊けば? ここ、携帯使えるわけだし」
 サイドテーブルに置いてある携帯を渡される。
「そうだね……」
 何度も電話した。でも、つながらなかった。メールを送っても宛先に届かず返ってきてしまう。
 そう言えばいいのに、言えない。訊けない。
 誰かに訊きたいのに知るのが怖くて、確認できずに今日まで来てしまった――。
 あのあと、インターネットで少し調べた。電源を切っているか圏外ならばそういったアナウンスが流れ、着信拒否という設定ならば、アナウンスが流れることなく不通音が聞こえるという。
 導きだされる答えは解約――。
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