光のもとでⅠ
『両親の説得も翠葉がしてごらん。俺たちもフォローはするけど、まずは自分で話してごらん』
「……うん」
『じゃ、碧さんと零樹さん連れてくる』
 言うと、唯兄が席を外した。
『翠葉……がんばってるな』
「……今まで、見当違いながんばり方してきたから……。気づくの遅かったけど……でも、やっと気づけたの」
『俺は、翠葉ならいつかちゃんと自分で気づけるって信じてた』
「え……?」
『……俺の、自慢の妹だから』
 にこりと笑う蒼兄を見たら、じわりと涙が目に滲んだ。
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