光のもとでⅠ
「おまえさ、俺の嫁になんね?」
「――は?」
「いや、言葉のまんまなんだが……。お子様は好きじゃないが、スイハみたいなのだったらいいかと思う。見てて楽しめるし前に進もうとしている姿を見てるのは悪くねぇ。おまえ、いい女になるよ」
 真顔で言われて返答に困る。
「先生、からかっているでしょう?」
「いや……さすがにからかって求婚はしねえだろ。マジな話だ。俺、あんがいスイハのこと好きだしな。俺と結婚すりゃ毎日タダで治療受けられるぜ? 年収も悪くないし、意外といい物件じゃね?」
 自分を物件呼ばわりする先生がなんだかおかしかった。
「だめ――冗談でも本気でも、だめ」
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