光のもとでⅠ
「すげぇ力……。こりゃ、もう使えねぇな。液晶どころか本体割れてんぞ?」
「悪かったわね。頭にきたら投げてたのよっ」
 どうやら相馬先生の手にしているものは携帯らしい。
「秋斗も司も電話に出やしないっ」
「んじゃ、俺がかけてみるか?」
 相馬先生が首にぶら下げているPHSから発信すると、
「おうおう……ヤローども徹底していやがる。出ねえどころか電源切りやがった」
 ケケケと楽しそうに笑うけれども、その隣の湊先生は鬼の形相だ。
 湊先生は私のところまでやってくると、
「朝までは点滴。明日、四時には出るわよっ」
「え……?」
「こんな状態のあんたをひとりで行かせるわけにはいかないでしょうがっ!? 零樹さんたちの了解も取とらなくちゃいけないし――」
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